アイノスブログ

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家の基本的な考え方

2021.10.26家づくりについて

こんにちは。富山で自然素材にこだわるホンモノの家、フジ創アイノスです。

平屋の家は、耐震性、耐久性、将来性、住みやすさ、コスト面など多くのメリットがあります。
前回ご紹介させていただいた間口9m×奥行き18mの50坪の南向きの土地でも、平屋が建てられないか検討してみてください。

この土地の一番の特徴は、南向きなので光を阻害されるものがないということです。
しかし南にリビングを配置し、そこに大きな窓をつくったとしても、そこは外から丸見えになってしまうため、カーテンでその光を遮断することになります。

結果、安定した光が入ってこなくなり、家の奥の方が薄暗くなってしまいます。
キッチンや洗面所といった北に配置されやすい場所です。

ましてや平屋を建てるとなると、さらに建物が南北に細長くなるため、奥どころか中間付近にも光が届きにくくなり、余計にどんよりした家になってしまうかもしれません。

暗い.png

ですので、一般的には2階建てにし、かつ個室を全て2階につくることで、出来るだけ南の光を採り込むようにし、まんべんなく家全体を明るくしようとします。

また、50坪の土地で平屋を建てるには、家の面積を小さくする工夫もしなければいけません。
ですが、これも明るさの確保と同じぐらい難しいため、多くの住宅会社が、無難な2階建てを提案せざるを得ないというわけです。

✔︎鍵は、1つ1つをよく考えること

「全ての居室を南向きにすべきである」という思いを多くの方がお持ちですが、本当にそうすべきでしょうか。
もちろん、玄関、お風呂、トイレ、収納といった場所には、直射日光は必要ないかもしれませんが、では寝室には直射日光が必要なのでしょうか。
寝室を使う時間帯や、寝る時間以外で寝室で過ごすことはあるかどうかを考えてみてください。

子供部屋に関しても、南向きの部屋にする必要はあるのでしょうか。
子供たちは日中ずっと部屋で過ごすわけではないでしょうし、直射日光が射し込んでくる部屋で勉強に集中出来るのでしょうか。
また、子供たちが家を出て行った後、もし収納として使うとしたらどうでしょうか。
もちろん、これらの部屋は明るくあるべきなので、光はたっぷりと射し込むようにすべき場所ですが、玄関や水回り同様に南向きにこだわる必要はないと思います。

設計.png

そう考えると、南からの日光を採り込みたい場所は、リビングダイニングキッチンと洗濯干場ぐらいではないでしょうか。
また、これらの場所は、直射日光を採り込みながらも、プライバシーが担保されていることが必須条件となります。
外から丸見えになれば居心地が悪くなってしまい、結局カーテンが開けられなくなるからです。
洗濯物が丸見えになり、景観と防犯性の両方が悪くなってしまうからです。

こういったことを加味しながら、プライバシーを担保しつつ、家全体が明るくなるように、景観も防犯性もよくなるように、かつ家事動線もよくなるように、間取りを考えていかなければいけません。

この考えに基づいて完成した平屋は、これら全てを実現しつつも、コストまで抑えることが出来ます。
また、平屋にすれば土地に無駄な余白が出来なくなり、結果外構工事費用もカットすることが出来ます。

ですから、どんな土地でも、平屋に出来ないかを考えてみて家づくりをしていただければと思います。