500年前のモダンデザイン
2023.11.16
こんにちは✨
富山県で自然素材の家づくりをしている
テーマ
・500年前のモダンデザイン・
。都を離れて、山居を構えた鴨長明の方丈庵には禅に通じる考え方が根底にあり、この世は仮の宿です。
この思想が寝殿造りから書院造りに変えてゆく原動力になりました。
数寄屋の代表である茶は、「市中の山居」であり、寝殿や書院のように格式高いつくりではなく、
これらの伝統や贅沢を振り払って簡素なつくりを目指します。
たとえ市中にあっても、まるで山奥に暮らしているような趣きを求めたのです。
茶室の中には、世界を形成していると考えられている「木火土金水」(もっかどこんすい)があれば
それで良いとされています。
木材は茶室にはふんだんに使われています。
そして、炉には火が焚かれ、中の灰が土、釜が金、そして水があれば茶の湯を楽しむことができる。
そして使われている木材も、選び抜かれた無節の上質材ではなく、面皮で節のある財を好んで選びます。
まさに、山居の趣きを大事にしたのです。
それはつまり、数奇屋のである書院や寝殿造りが都会的であるということを意味しています。
現代の感覚でいえば、都会のマンションが寝殿造りであれば,郊外に小さなログハウスを求めたようです。
こうして、数奇屋はまさに田舎のつくりを目指しています。
しかし長い時間を経ると、すっかり感覚は逆転してしまいます。
無駄をそぎ落した数奇屋デザインは、いかにもモダンで都会的なイメージとなり、書院づくりは、
田舎に残された古民家ばかりです。
私たちが、書院づくりの空間を見れば、田舎臭いとと見てしまいますが、500年前の当時の感覚では、いかにも都会的なデザインなのです。
時代が変われば、感覚も大きく変わっていくものです。
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